前回のブログでは、データを検索、抽出、表示結果をカスタマイズするためのSQLの機能について学びました。今回は、サブクエリとWITH句の使い方について説明します。これらの機能を使用することで、複雑なデータ操作を行うことが可能となります。
前提情報
前提のテーブルとデータは下記の通りになります。
SQLfiddleというサイトで確認できます。
http://sqlfiddle.com/
左側でテーブルを作成してデータを投入、右側でデータを抽出するためのSELECT文を入れることでデータを出すことができます。下記の画像はOrdersテーブルの全クエリのデータを抽出した結果の画像です。
CREATE TABLE Orders ( order_id INT, user_id INT, product_id INT, quantity INT, order_date DATE ); CREATE TABLE Users ( user_id INT, user_name VARCHAR(255), birth_date DATE, prefecture VARCHAR(255) ); CREATE TABLE Products ( product_id INT, product_name VARCHAR(255), price DECIMAL(10,2), rating DECIMAL(2,1) ); INSERT INTO Orders (order_id, user_id, product_id, quantity, order_date) VALUES (1, 1, 1, 2, '2023-01-10'), (2, 2, 1, 1, '2023-01-15'), (3, 1, 2, 1, '2023-01-20'), (4, 3, 3, 5, '2023-01-25'), (5, 2, 2, 3, '2023-02-01'), (6, 1, 3, 2, '2023-02-10'), (7, 3, 1, 4, '2023-02-15'), (8, 2, 3, 1, '2023-02-20'), (9, 1, 1, 1, '2023-03-01'), (10, 3, 2, 2, '2023-03-10'); INSERT INTO Users (user_id, user_name, birth_date, prefecture) VALUES (1, 'Tanaka', '1985-03-12', 'Tokyo'), (2, 'Suzuki', '1990-07-25', 'Osaka'), (3, 'Sato', '1987-11-30', 'Hokkaido'); INSERT INTO Products (product_id, product_name, price, rating) VALUES (1, 'Apple', 100, 4.5), (2, 'Orange', 50, 4.2), (3, 'Banana', 30, 4.7);
サブクエリ
サブクエリとは、あるクエリの中でさらに別のクエリを使うことを指します。サブクエリは、必要なデータが複数のテーブルに分散している場合や、特定の条件を満たすデータを抽出するために使用します。
例えば、最も高評価の製品の名前を取得するには以下のようにサブクエリを使います。
SELECT product_name
FROM Products
WHERE rating = (SELECT MAX(rating) FROM Products);
このサブクエリでは、まず製品の最高評価を取得し、それを使って最高評価の製品の名前を取得します。
WITH句
WITH句を使うと、サブクエリを一時的なテーブルとして保存し、それを同じSQLステートメント内で何度でも使うことができます。これにより、複雑なクエリをより読みやすく管理できるようになります。またサブクエリよりも構造が分かりやすいので、可読性が上がります。
例えば、各製品ごとに何回注文されたかを計算し、それを一時的なテーブルとして保存したい場合、以下のようにします。
WITH product_orders AS (
SELECT product_id, COUNT(*) as order_count
FROM Orders
GROUP BY product_id
)
SELECT p.product_name, po.order_count
FROM Products p
JOIN product_orders po ON p.product_id = po.product_id;
補足説明:WITH句はSQLfiddleで使えないので、下記のサブクエリで同じ結果を確認することができます。
SELECT
p.product_name,
(SELECT COUNT(*) FROM Orders o WHERE o.product_id = p.product_id) as order_count
FROM
Products p;
ここでは、WITH句を使用して「product_orders」という一時的なテーブルを作成し、それをJOIN句を使ってProductsテーブルに結合しています。
サブクエリとWITH句は、複雑な問い合わせやデータ分析において非常に有用です。これらの概念を理解し、活用することで、より洗練されたデータ操作が可能となります。
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